介護のこと

高齢者の在宅介護について考える

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在宅介護の準備

これについては、家庭環境や介護の度数によって大きく変わってくるとは思いますので、私の母親の場合として、”要支援1~要介護2程度で何とか自分で歩くことが出来るが、排せつや入浴、食事などに、少なからず介助が必要である”という範囲で考えてみます。

また、私のように元気な時から一緒に暮らしている場合は、少しずつ必要なことを準備をすることが出来ると考えられますが、例えば親が実家で一人暮らしをしていて、急に具合が悪くなり、子が今住んでいるところに引き取るような場合はどうなんでしょうか。

さらに、仕事のことや経済的なことなど、各家庭により様々な問題があると思います。

ケアマネージャーと介護度数の認定

すでに介護認定をもらっていて、ケアマネージャーさんも同じ地域内なら、引き続き相談しながら、今後の介護サービスなどや必要になるものを相談できると思います。しかし、介護認定を受けたこともない場合や遠方から来た場合などは、地域包括支援センターに行ってケアマネージャーさんを紹介していただくことになるでしょう。

この介護認定については、私が以前働いていた職場の人でも同居・別居を問わず「介護認定は受けたことがない」という人がけっこう多くいました。また、「まだ必要がないと思う」「本人が必要ないと言っている」というのがほとんどで、90歳を超えていても一度も認定を受けたことも、ケアマネージャーさんのことも何もしていないと言うような人もいました。

実は私自身も同じで、母が最初に認定を受けたのは85歳のとき、知り合いから「保険だと思って一度申請してみては?」と言われ、要支援1をもらいました。そして直後に認知症になったので、その時は本当に助かりました。

介護サービス

介護認定をもらっていれば、さまざまな介護サービスが受けられますので、詳しくは厚生労働省「介護サービス情報公表システム」などで確認してみてください。尚、介護の度数により、受けることが出来なかったり、金額や回数などに制限がある場合がありますが、ここでは、私が使わせていただいた介護サービスを少し書いておきたいと思います。

デイサービス(デイケア)

厚生労働省「介護サービス情報公開システム」によると、一般的に言われているデイサービスというのは通所介護として要介護の人しか利用できませんが、デイケア(通所リハビリテーション)の場合は要支援でも利用できます。また、利用回数も相談できるので、同居家族の仕事や都合も考慮しながら、決めていくのが良いと思います。

ちなみに、母の場合は最初が要支援1でしたのでデイケアになりますが、要介護2になってからはデイサービスということになりますね。また、料金なども規定があるので、厚生労働省「介護サービス情報公開システム」で確認してみてください。また、施設により出来ないことなどがあるかも知れませんので、事前の見学や利用者本人の希望なども大事になってくると思います。

母が通っていた施設は、主に手芸などの手先を使ってやることをしながら、入浴や食事も出来るといった感じで、小さなところではありましたが、利用者も施設の人も女性ばかりのところだったので居心地が良かったようです。ちなみに送迎をしてもらっていましが、家族が送迎することも出来るようです。

訪問介護(ホームヘルプ)

これは比較的最近利用したサービスで、私が仕事に行っているときに昼食の介助として利用させてもらいました。どこまでのことをやってもらえるかは、ある程度来てくれる人により幅があると思いますが、ケアマネージャー曰く「食材を用意していただければ、簡単な食事を作ることは出来ます」と言われました。

それでも私は出来るだけ負担をかけないようにと思い、主にスーパーマーケットの総菜やレトルト食品を用意して、湯せんや電子レンジのみで調理できるものにしました。自宅には見守りカメラがありますので、失礼ながら訪問時に様子を見させていただきましたが、母がいつもより会話が多くなっているので、その点でも良かったと感じていました。

福祉用具貸与・特定福祉用具販売

母がこれまで利用したものですが、貸与品は車椅子と置き型の手すり、販売品としては浴室の椅子と手すりになりますが、いずれも1割負担で利用出来ますので、非常に助かります。ただ、負担が軽いからと言って同じものを何度も買い替えることは出来ませんので、販売で購入する場合は、よく確かめてからのほうが良いと思いますし、業者の人に試用できるもの持ってきてもらうことも出来ると思います。

在宅介護に必要なもの

いずれも介護保険からの助成があり、リース品などの選択肢にも幅がありますので、介護度数や好みに合わせて選ぶことも出来ると思います。

手すりは必ず必要になる

自分で歩行出来る場合でも手すりがあると、転倒などのケガのリスクが減りますので、一番最初にやっておいたほうが良いでしょう。持ち家用、賃貸住宅用に加えて自分でやるのか業者に施工してもらうのかで費用や形状も変わってきます。ただし、私の母のように体重が軽くてもかなりの重量がかかりますので、しっかりと固定出来ていることが重要になります。ちなみに、私は前職の仕事柄、ホームセンターで買ってきたものを自分で取り付けしました。

玄関、廊下の手すり

おそらく玄関が一番最初に必要になるとは思いますが、以前床置きタイプを使っていたときに間口がすごく狭くなったので、壁につけるようにしました。水平につける手すりの場合は、高さをどれくらいにするかが人によって変わるかも知れませんので、実際に使用する人に何度も確認したほうが良いでしょう。

寝室の手すり

高齢者のほとんどの人がベッドで寝ているとは思いますが、起き上がる時にどうしても力が入らず手すりが必要になってきます。床に固定するタイプ床に置くタイプ、またベッドのフレームに固定するタイプのものがあります。

我が家の場合は、Amazonで買った廉価版なものをベッドの敷板にビス止めして使っていますが、今のところ全く問題はありません。

トイレの手すり

トイレの場合は、両側につける場合と片側だけの時もありますが、今のところ我が家の場合は片側だけで問題はないですね。これも壁に固定するタイプと、賃貸用に床置きタイプがありますが、床置きタイプの場合はある程度スペースがないと難しいでしょうね。

浴室の手すり

浴室の場合は、入浴時にどれくらいの介助が必要になるかによって、ある程度タイプが決まってくると思いますが、我が家の場合はまだ自分で何とか浴槽をまたげるので、簡単に取り付けできるものにしました。写真のものは介護用品ショップで購入したものですが、介護保険で1割負担で購入できます。

また、浴室の椅子も高齢者専用のものを用意したほうが良いと思います。

必要になるかも知れないもの

紙パンツ

要支援の人や要介護1までの場合は、一人で排せつ出来てお漏らしもまだないと言う人が多いと思いますが、これについては突然何かのタイミングや、家族がしらないうちに必要になる場合が出てくるのではないでしょうか。備えあれば患いなしだと思いますので今必要なくても、用意しておいたほうが良いと思います。

今の時代は、ドラッグストア等で色々なタイプや種類がありますので、本人の合ったものを選んであげてください。母の場合、まだお漏らしはありませんが、ウンチの時うまく拭けなかったときが出てきたので、薄目で履きやすいタイプの紙パンツにしてみました。

また「お漏らしする回数は少ないが、デイサービスなどに行くことが多い」場合は、ある程度長時間使用やお漏らしの回数が多くなっても大丈夫のタイプが良いでしょう。

車椅子

要介護1までの人でも年齢により、歩行が困難になる場合があると思います。特に外出するときは、段差などがあり歩くことによる疲労も大きくなるので、休憩できる椅子ということも含めて車椅子があると生活がしやすくなるでしょう。また、介護保険の助成で1割負担でリース出来ますので、500円/月前後で選択肢がたくさんあります。

母の場合は出かけることが少ないので普通のタイプにしましたが、色々な機能や乗り心地を考えたタイプもありますので、これも業者の人に試用できるものを用意してもらい、少しの間使ってみるのも良いと思います。ちなみに、現在は殆どのタイプがパンクレスのタイヤになっているようです。

折りたたむことこんな感じですが、思ったより軽くて車に載せるのも、そんなに苦ではないと思います。また、後ろにポケットがあるので小物なども入れられます。

見守りカメラ

家族の誰かが常に家にいる場合は特に必要ないかも知れませんが、仕事しながら両親の介護をしたり、一人にする時間が長くなることがある場合は、安心感があると思います。最近は色々なタイプや安価なものがネット通販で手に入りますし、取り付けや設定も簡単で私のような60代でも、それほど時間はかかりませんでした。

WiFiがあれば外部からスマホ等で確認出来ますし、ズームや回転するタイプや録画も出来ますので、後でどんなことをしていたか確認することも可能です。

介護する側の心の準備

両親と同居をしていたとしても、元気であれば自宅で介護しているという意識はあまり出てこないと思いますが、何かのきっかけで親の介護が必要になることがあるのではないでしょうか。

  • 別居している親が、いつの間にか一人で生活できなくなっていた。
  • 同居している親が、認知症や病気などで日常生活に支障をきたすようになった。

私の場合は良くも悪くも独身なので、母親のことを誰かにやってもらうことが殆どありませんが、今まで別居していた親を引き取って介護するとなると、奥さんや子供さんとかの理解も必要になってきますね。

最近は80代でも健康で元気な人が多くなりましたので、子供の側からみると「私の親はまだ大丈夫」と思っていても、実は子供に心配や迷惑をかけたくないと我慢していることもあるのではないでしょうか。

それぞれの家庭でいろんな事情があるとは思いますが、いずれ介護が必要になるときのことを考えてみることをお勧めします。

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