認知症が治ったこと

レビー小体型認知症が完治するまで②

shos-homecare

認知症の症状

幻覚と妄想の繰り返し

まだこの頃は私が仕事に行っても問題はなかったですが、幻覚と妄想は日々ひどくなっていきます。

食事の時は相変わらず「また、あなたの後ろに誰かいるわよ」と言い、その度にどんな人か聞いてみると「今日は、60歳くらいの男の人」「今日は40歳くらいの女の人がずっと見てる」とかですが、医者からは、

「認知症の症状が出ても否定はしないように」

と言われていたので聞いてあげるだけですが、この先どうなっていくか不安は募るばかりです。

また、妄想にいたっては仕事中に電話をしてきて、ありもしないことを言ってきますが、何故かそのほとんどが「今警察の人が来て・・・」というストーリーばかりでした。今考えると仕事が忙しい時期だったので、もうちょっと家にいてほしいという感情の裏返しなのかも知れません。

歩行が困難になっていく

認知症の症状が出る前は80代半ばでもしっかりと歩くことができ、杖も必要はなかったですが、転ばぬ先の杖ということで使ってもらいました。

症状が出てからは足が上がらなくなったような感じで、外を歩くときは摺り足になってしまい、躓くことが多くなったので私が腕組みするように介助してました。

徘徊することがあるのか

母親の通院日に仕事を休んで自分の部屋にいるとき、ついウトウトとしてしまい携帯の着信音で目が覚めました。電話に出ると知り合いの女性から「今どこにいるの?お母さんが一人で歩いていたので今から家まで連れていくからね」ということです。

母の認知症を気遣って様子を見にきてくれた知人が、偶然母を見つけてくれて家に連れ戻してくれました。母に聞くと私と一緒に病院に行くことを忘れていて、一人で行こうと思ったらしいです。

これが徘徊にあたるかどうか分からない

とは思いましたが、しばらく仕事を休ませてもらうことにしました。

物の片づけ整理を繰り返す

日常生活の中ではこれが一番目につきます。例えば裁縫箱をひっくり返してから再度箱に戻すことを繰り返しますが、こちらが「何をやっているの?」聞くと〇〇を探しているだけれど見当たらないの」と言い何度も繰り返し同じことをします。

また、整理棚の中身をすべて取り出してから元に戻すことなども繰り返しますが、とにかく本人が納得するまで何度でもやります。こちらが「もう、それくらいにしておけば?」って言っても、黙ったまま手を止めることはありませんでした。

私のことが誰かわからない

仕事を休ませてもらってからは毎朝私が母を起こしますが、必ずと言っていいほど「お父さん、何やっているの?」と言います。母の亭主である私の父親は10年以上前に他界していますが、そのことを言ってよいのかどうか分からず、とりあえず「違うよ、俺だよ」って言っておくことにしました。

見たこともないような母の態度

仕事を休ませてもらっているとは言え、まったく会社に行かないというわけにはいかず、様子を見ながら出かけることもありますが、家に帰ると食事を作ってくれていることがありました。そして母から「ほら、晩御飯作っておいたわよ。こんな簡単なことくらい出来るわよ」と言って真っ黒に焦げた目玉焼きなどを差し出してきます。

さすがに、これには悲しくなって涙が出てきましたが、これまで一度もこんな態度をとったことはなかったので驚きました。私が毎日食事の用意をするようになって、何か感じるものがあったのかも知れませんね。

介護度は要支援1から要介護2へ

介護認定の訪問調査

これから先のことを考えてケアマネージャーに相談し、介護度の区分変更をすることにしました。介護サービスを受ける上で、介護度数というのはとても重要なことですし、母の状態に見合ったサービスが受けられないと困と思いました。

面談の日にケアマネージャーさんが調査担当者と一緒に来られた時、母は自分の部屋で寝ていました。しばらく三人で話をしていると、私たちの声で起きてきたのか母がやってきて不思議そうに見ていました。そして、担当者の方が「こんにちは、この人は誰か分かりますか?」と私のほうに手をかざすと母は「誰かわからないわ」といいました。

面談の時は最初にいろいろな質問があり、体を動かしたりしてチェックしていきますが、その前に担当者の方が「今は要支援1?このままじゃ無理ですね。すぐに要介護にしたほうが良いと思います」と言われました。

そして後日に区分変更の書類が届いて、要介護2ということにはなりましたが、今後具体的にどのようなサービスが受けられるか、ケアマネージャーに相談することにしました。

忘れられないケアマネージャーの言葉

ケアマネージャーから、要介護2になって受けられる介護サービスをいろいろ聞いてみましたが、先ずは今行っているデイサービスを週1回から週3回とすることにしました。時間が9:00~14:00なのでフルタイムでの仕事復帰は難しいですが、少しでも会社で仕事が出来ます。

週3回になってからは、以前より認知症の症状が軽減されてきたような気がしましたが、幻覚の症状だけは変わらず、夕食時には毎日と言っていいほど私の後ろに誰かいるようです。

母の異変が始まってから色々なことがあり、精神的に弱っていくような感覚が日々募っていく自分を、何とか奮い立たせているような感じがしていました。兄弟や親せきも遠方なので、何かあってもすぐに誰かに頼ることが出来ない状況なので、ケアマネージャーさんが訪問してくれた時は、すごく安心感を覚えます。そして、ある日の訪問してもらった帰り際に聞いてみました。

「この認知症は治ることがあるのでしょうか?」

すると、ケアマネージャーさんは、

「レビー小体型認知症は、約30%程度が治ると言われています。」

この言葉を聞いて私心の中で、

「よし!治る可能性があるなら、絶対治して見せる!」

この時のことは、今の私の人生にとっても大事にしていることで、忘れることが出来ない瞬間です。

あわせて読みたい
レビー小体型認知症が完治するまで③
レビー小体型認知症が完治するまで③
記事URLをコピーしました