高齢者のこと

認知機能の低下と日常生活への影響

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認知機能とは、私たちの脳がどのように思考し、学び、感情を処理するかを理解するための重要な概念です。ある日突然、物忘れが増えたり、生き生きとした思考ができなくなったりすることは、誰しもが経験するかもしれませんが、それは加齢やストレス、環境の変化によって引き起こされることもあります。

しかし、実は効果的なトレーニングを用いることで改善できる可能性があり、認知機能をチェックするための具体的な方法や、その発達段階に応じたアプローチについても、近年で幅広く取り入れられているようです。現在では、75歳以上の免許更新時にも認知機能の検査があるようですね。

出典:臨時認知機能検査と臨時高齢者講習(75歳以上の方) 警視庁

認知機能の基本概念とは何か

MMSEとは?認知機能の評価とチェック方法

MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知機能を簡便に評価するためのスクリーニングテストです。この検査は、記憶力、注意、言語、視空間能力など、さまざまな領域の機能を測定します。診断対象には、アルツハイマー病や他の認知障害の可能性がある患者が含まれます。MMSEは、10分程度で実施できるため、医療機関で広く使用され、受診者に与えられる問題は、日付や場所を尋ねる簡単な質問から、数を逆に言う、文章を繰り返すなど多岐にわたります。MMSEの結果は、認知機能の低下を示す重要な指標となり、医療従事者が患者の状態を把握するのに役立ちます。

年齢相応の認知機能発達とその特徴

認知機能は年齢とともに発達し、その過程には特有の特徴があります。幼児期には、基本的な注意や記憶能力の発達が見られ、小学校に入る頃には、より高次な認知能力が向上します。思春期には、自己認識や判断力が高まり、成人期には、問題解決能力や計画の遂行力が成熟します。ただし、加齢に伴い、老化や疾患が認知機能に影響を与えることがあります。特に高齢者では記憶力や判断力に低下が見られることが多く、これが日常生活や社会的な活動に影響を与えることになります。

認知機能の分類とその役割

認知機能は、主に「注意」「記憶」「言語」「視覚・空間処理」「実行機能」の5つの領域に分類されます。まず、注意機能は、必要な情報に焦点をあて、他の情報を無視する能力です。次に、記憶機能は、出来事や情報を保持することで、日常生活の中での認知の土台となります。言語機能は、コミュニケーションを支える重要な要素であり、他者との関わりを形成します。視覚・空間処理機能は、物体の位置や形を認識する能力で、運動能力や社会的役割を果たすのに必要です。最後に、実行機能は、目標に基づいて行動を計画し、遂行する能力で、判断力や問題解決能力を含みます。

認知機能検査とその目的とは

認知症初期症状チェックリスト

認知症の初期症状を見極めるために、チェックリストが役立ちます。これには、日常生活における記憶の低下や、物の置き忘れ言葉のつまずきなどの症状が含まれます。患者自身や家族がこのリストを用いることで、早期の対応が可能になり、専門医への受診を促すことができます。尚、東京都福祉局にチェックリストが出ていますので活用してみてください。

出典:東京都福祉局-とうきょう認知症ナビ「自分でできる認知症の気づきチェックリスト

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このチェックリストで母の点数を付けてみましたが、35点でした。20点以上で、認知機能に問題ありだそうですが、年齢的には仕方ないのでしょうね・・・

認知症テスト絵を覚える問題

認知症テストの中には、絵を覚える問題があります。これは記憶力や認知機能を評価するシンプルですが効果的な方法です。病院やウェブサイトで無料で提供される問題は家でも簡単に実施でき、患者の状態を確認する助けになります。患者は、まず提示された絵を観察し、その後に思い出して書き出す作業を行います。このプロセスを通じて、記憶力がどの程度保持されているかを知ることができます

私の母も、認知症になったときはこのテストをしました。良かったら、こちらも見てくださいね。

認知機能の低下

認知機能の低下とは何か

認知機能の低下は、多くの高齢者に見られる現象ですが、加齢に伴う認知機能の低下は、脳の老化が進むことによって引き起こされ、特に記憶力や判断力に影響を及ぼします。認知機能が低下して、日常生活に支障が出てきた場合には、各段階における認知機能の評価やリハビリが必要となります。こうした理解の背景には、さまざまな研究と統計データが存在し、日常生活における取り組みの重要性を再確認することが大切でしょう。

食事や嚥下機能が認知機能に与える影響

私たちの健康状態は、食事や嚥下(えんげ)機能とも強い関連性があると言われています。栄養不足や不適切な嚥下は、認知機能の低下を招く可能性があります。特に高齢者は、食事が十分ではない場合、脳に必要な栄養が供給されずに認知機能に影響を与えます。また、嚥下機能が低下すると、食事が喉を通らず、結果として栄養摂取が不十分になり、これもまた認知機能の劣化を招きます。バランスの取れた食事は、脳を健康に保つために必要不可欠で、食生活の見直しが、日常的な認知機能の維持にもつながるのです。

母も嚥下機能が低下しているので、毎日、お口の体操をしていますが、少しづつ良くなっているかも知れません。

年齢による認知機能の変化

年齢と共に、認知機能はさまざまな変化を遂げます。幼少期には急速に記憶や言語能力が発達し、思春期を迎えるころには社会的な知識や問題解決能力が向上します。しかし、40代から60代にかけては徐々に認知機能の低下が見られ、特に記憶力や反応速度の面での変化が顕著になります。高齢期になるにつれて、重症度の高い認知症のリスクも出てきますが、普段から健全な生活を心がけることが大切だと思います。

認知機能改善トレーニング

ゲームを通した認知機能向上の活性化

最近の研究では、ゲームが認知機能の改善に効果的だと言われています。特に脳トレ系ゲームやパズルゲームは、認知機能を刺激する要素が多く、高齢者にとって楽しみながら訓練できるようですね。こうしたゲームによって、注意力や記憶力が自然に鍛えられるため、日常的に取り入れることができます。さらに、ゲームには社交的な要素も含まれているため、家族や友人と共に楽しむことで、コミュニケーションの機会も増え、社会的なつながりが認知機能の向上に寄与することが期待されています。

トレーニングの種類とその効果

認知機能トレーニングには、さまざまな種類がありますが、年齢に応じて適切な方法を選ぶことが大切だと思います。高齢者には主にEXCELやクロスワードパズル、音楽やアートを取り入れた認知トレーニングが有効だと言われていますが、これらは既存のスキルを活かしつつ、思考を活発に保つのに役立ちます。また、認知機能を訓練するアプリも多く提供されており、手軽に取り組むことが可能で、定期的なトレーニングを通じて、忘れっぽさや判断力の低下を防ぐことができる可能性が高いですね。

家族や周囲のフォロー

私の母が認知症になったときもそうでしたが、認知機能の低下で最も感じたことは「本人が認めたくない」ということです。「自分だけは何も問題はない」「認知症になるはずがない」など、客観的に自分のことを判断できなくなると、認知機能低下の始まりなのではないかと思います。しかし、これは高齢者だけではなく、私自身も仕事や人付き合いで「自分の考えは間違っていない」と言うことは多々あったでしょうし、「それが正しいと思っていたが、実は間違っていた」ということが、今でもけっこうありますね。

高齢者の認知機能低下については加齢が原因だけで済ませずに、家族や周囲の人が「何かストレスがないか、行動や言葉遣いに変化はないか」など、気づいてあげることが大切ではないでしょうか。

母の認知症も、強いストレスが原因ではないかと思いましたが、私がそれに気づけなかったことに、当時は非常に後悔しました。

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